自分の仕事を子供に説明する(医療用医薬品の開発職)
小学3年生の息子、親の職業が話題になったらしい。
見学に行った消防署に友達の父親が消防士として勤めていたことがきっかけとのこと。
息子に聞いたところ、私の仕事は「薬の仕事」と答えたとのこと。
まぁ間違ってはないんだけど、息子が父親の仕事を理解していないということには自信がある。
私の仕事は「医療用医薬品の開発職」。製薬業界外の人に伝わらないがより正確な言い方をすると「臨床開発職」ということになる。英語だと「Clinical Research Associate」だ。子供に限らず、大人にだってなかなか説明が難しい。
「薬の開発をしている」といって間違いではないのだが、そうやっていうと研究室で試験管を振っているようなイメージを持たれることが多々ある。「治験の仕事」と説明したときには「体張ってるね」と返されたこともある。(その人は治験のバイトでよく採血されていたから、それと勘違いしたのだろう)後者は当然だが、前者も実際とは遠くかけ離れている。
とにもかくにも、医療用医薬品が世の中に出るまでのプロセスが長く複雑であって、あまり表に出ないし関心を持たれることも少ないことに起因しているのだと思うが、「何の仕事をしているの?」と聞かれてそんなことから説明するわけにもいかないと思ってしまう。
結局何をしているかということを専門用語を使わずに説明すると、「研究職の人が見つけたり生み出した物質が動物実験等を経て人に使っても大丈夫そうだというところまで来た段階で実施される治験(治療試験)において、病院に出入りしてそれが決められたルールや計画に沿って適切に行われているかをチェックしたり、その化合物を人に使って得られたデータを回収する」ということになるだろうか。
親戚や友人に仕事の事を聞かれた時には大体赤字の内容を話しているのだが、果たして伝わっているのかどうか。「よくわからないけど難しそうなことをやっているんだね」くらいに思われていると思うし、実際にそういうコメントを頂くことも珍しくない。
実際には専門的な知識を有する、というよりスキルとしては広く浅くいろんなものを求められる仕事だ。
ちなみにかつて上司と自分の仕事を子供にどう説明するかを話していた時、その上司は悩んだ挙句実際に自分の外勤先(病院)に連れて行ってこっそり見せたとのこと。結果、丁度営業的な側面を発揮しているときで、ペコペコしている様子を見られ、なんか違うと思ったそうだ。
長女が父親の仕事に関心を持つ年頃になるまでに、もう少し上手な伝え方ができないか研究しよう。