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【製薬】【転職】【30代】実録・製薬業界転職記 エピソード5 ~CROへの入社、そして更なる転職へ~

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shakariki30s.hatenablog.com

 

派遣のMRから無事にCRO:開発業務委託機関への転職を果たした私だが、

その後どうなったか。

まず、CROの業務についてだが、このブログを読まれる方はある程度製薬業界の事を知っている方が多いと思うので、詳しくは書かないが、概ね様々なサイトで紹介されている通りの仕事だった。なので、この記事ではCROの仕事内容についてはあまり触れず、「キャリア」「転職」の観点で紹介する。

CROでの私の日々は基本的には充実しており、仕事自体は長く続けられそうだと思っいた。1点だけ、気になって仕方がなかったのが前回の記事でも書いた「収入面」である。

残業をしても「一か月○○時間を超えたら発生する」という規定になっており、なかなか増やすことが難しい。そして、私だけでなく周囲を見渡してもとにかく「収入」に関する不安や不満を抱いている人が多かった。ただ、そういうことを一切言わない人もいる。やがて気が付いたのだが、どうやら「前職もCRAで、ほかの会社からの転職組」については、あまりそういう不満を口にしていないように見受けられた。そしてもう1点気づいた点が、「やたらと転職していく人、転職してくる人」が多いということである。(ただし、同程度の社会人経験(3年程度)で4社目という私の転職回数に並ぶ人には出会わなかった。。。)新卒や未経験で入社してくる場合、ベースになる給与は一定だが、転職組に関してはそれまでの経験や能力に応じて人それぞれ、ということのようだった。

最初の1年で、同じプロジェクトの同僚が5人のうち2人辞めていった。次のプロジェクトでも1年で10人のうち4人が辞めていった。ほかのCROに行った人もいれば、別の仕事に就いた人もいる。辞めていく人が多いということは当然新しく転職してくる人も多いわけで、とにかく人の出入りが多い。

要するにこの業界というのは、ある程度「転職」というものについて「ある程度寛容」であると同時に、「転職」というものもキャリアの中の重要な一部であるということのようだった。といってもすでにこの会社で4社目で、1社あたりの平均勤続期間が1年程度という私にとっては、そうそう転職というものなどできるものではない。少なくとも3年は辞めないと決意をして日々の業務に励んでいたが、そうこうしているうちに入社して3年がたとうとしていた。その頃、とあることに問題を感じるようになった。

 

入社して以来、仕事内容は概ね想定通りだったのだが、1点想定外だったことがある。「治験」といえば「医療用医薬品」の治験であると思っており、また転職エージェントからもそれ以外があるということを聞いていなかった。ところが、入社して気が付くと、「医療機器の治験担当」のCRAになっていたのである。転職エージェントから説明がなかったことでもわかるように、大手CROの中で医療機器の案件というのは決して多くない。(医療機器に重きを置いている中小のCROはあるにはある。)下手すると、社内の別の部署の人と話していると「へー、うちの会社医療機器もやってるんだ」といわれることもある。「医療用医薬品」とはCRAとしての仕事がやや違っている点もあり、別の見方をすれば専門性のあることをやっているということで、他のCRAと差別化できているということにもなるのだろうが、問題は当時会社が「医療機器の案件を続けて受注する気があるのかどうか非常に怪しい」ということだった。

 

医療機器の案件がなくなれば、当然医薬品の案件に回ることになるが、もともと医薬品案件の担当だったCRAと比べると当然経験が劣るわけで、今後の競争にはスタート地点から不利になる。ということは問題である「収入」面の改善も遠くなる。

 

入社して3年という「それまでは辞めない」と決意していた時期が近付いていた。またちょうど当時配属されていた案件が節目を迎え、人の入れ替えを上司が検討しているという時期だったことも、会社への迷惑の観点で私の転職へのハードルを下げ、私は他社CROへの転職を検討することにした。

 

転職の目的は「収入面の改善」が最優先。加えて収入UPできるなら医薬品のCRAとして働きたいである。(医療機器CRAというのもなくはないが、そもそも元々はMRだし、社内で話をしていても、わざわざ医療機器CRAを目指すというのもどうなんだろう、という感じだった。)

そうなったとき、1つ腹をくくらなければならないことがあった。

  • 給与が高めだが、「激務」「社内環境が整備されていない」「みんなすぐ辞める」で評判の外資系に医薬品CRAとして転職する。
  • 「医療機器のCRA」というニッチな世界で生きていく。(どう考えても、医薬品のCRAとして転職すると、経験不足とみなされて収入面の改善は見込めないため)

どちらかを選択しなければならないということだ。

ただし、例外が1つあることも知っていた。内資のCROで1社だけ、ベースの給料が高いところがあるらしい、ということだ。社名も知っていた。ただしピンポイントで狙って入れるかというと、そんなに甘くはないだろう。期待できない。

 

こんなことを考えて、転職エージェントにアクセスした。今まで相手にされなかった「誰でも知っている某大手転職エージェント」と、前回の転職でお世話になった「DODA」である。JACリクルートメントは、結局採用プロセスの途中で断りを入れたため、ちょっと気まずく、今回はコンタクトしなかった。

 

DODAのエージェントと早速話をしたところ、まずは駄目もとで製薬会社や医療機器メーカーのCRAの募集があるので応募してみないか、ということだった。別にトライすることにデメリットはないので、とりあえずその方向で動くことになった。結果、全部面接にすら至らなかった。理由を教えてくれる会社も数社あったが「転職回数」が理由だった。製薬会社については「医薬品CRAの経験がない」という理由も付け加えられていた。(まぁそうなるだろうと思っていたので気にはならない)

 

「某大手エージェント」では外資系CROへの転職一択といわれた。

 

結局、当初の予定で「外資のCROへの転職」「医療機器CRAとしての転職」しかないかなと思って、たまたま転職エージェントに登録すると大量に送られてくるDODAからの採用募集のメールの件名を眺めていたところ、件の待遇のいい内資系CROの募集案件のメールが来ていた。お、と思ってメールを見てびっくりした。「○○の採用担当の方があなたの経歴を見て是非とも話を聞きたいとおっしゃっています。」という文面だったのである。(転職経験の豊富な方からすると、私の反応をみて「バーカ」という感じだろうが、当時はそういう体験は初めてだった)

メールを見てすぐにDODAの担当者に連絡をとった。返事が「ところで、その会社の話を聞きたいということでしょうか?それとも募集でしょうか?」と、冷めた感じ。何だか自分との温度差があるのだ。(私は特別なメールを受け取ったのだと思い込んでいた)

 

  ※どうやら私が見たメールはいわゆる典型的な売り文句で、文面通りに

   受け取るものではないと、この件で学んだ。

 

改めて担当者との面談が実施された。結果、以下の順番で応募をすることになった。

  1. 件の待遇の良い内資系CROに第一希望として応募する。
  2. 並行して、外資系CROにも応募する。
  3. 上記でダメなら医療機器CRAとして給料の上がるどこかのCROに転職する。

である。

 

そしていよいよ転職活動を開始したわけだが、具体的な活動については特に書くことがない。第一希望の企業に応募して、面接が決まり、他のCROの面接を受ける前に内定をもらえたからだった。

転職を検討してからまだ1か月もたっていないうちの事だった。

(ちなみに「某大手エージェント」とはDODAとのやり取りがトントン拍子で進んでしまったので、結局何も話が進まないまま終わってしまった)

年収は無事に120万円のアップとなった。

当時、妻もパートを始めており、我が家の家計は劇的に改善したのであった。

 

  ※なお、当初の予定では1回であった面接が2回行われていた。

   1回目は医療機器CRAもしくは臨床研究のCRAとしての面接だったのだった

   そうだが、1回目の面接の評価が高く、私が医薬品CRAを希望していることも

   考慮されて、医薬品CRAとして再度面接を打診されたのだそうだ。

   結果、医薬品CRAとしては未経験だが、年齢とキャリアと将来性を考慮して、

   待遇としては「医薬品CRAの経験あり」としての内定になったとのことだった。

   「良かった~~」

 

入社1年後、入社時の期待にはある程度添えていたのだろう。1つポジションが上がることになり、さらに100万円の収入アップとなったのであった。会社に対しては本当に感謝の気持ちしかなかった。いまでもその気持ちは忘れていない。当時、もうこの先この会社を辞めることはないだろう、と思っていた。

 

ところが、今は違う会社に勤めている。

 

経緯については次号以降とします。

 

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私なりの英語学習方法について、ある程度記事がシリーズでまとまりました。

第一回はこちらです。よろしければご覧ください。↓

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